EXIFデータとは?

EXIFデータは、カメラやスマホが画像と一緒に写真ファイルへ書き込む情報です。カメラの機種、露出の設定、撮影日時、多くの場合はGPSの位置、ときにはカメラのシリアル番号まで含まれます。画像を見ても分かりませんが、ファイルを持っている人なら誰でも読めます。実際の写真から読み取った中身、確認の方法、消したほうがいい場面をまとめました。

EXIFをひとことで

EXIFはExchangeable Image File Formatの略です。1995年に最初に公開され、現在は日本のカメラ業界団体であるCIPAとJEITAが管理している規格で、カメラが画像ファイルに書き込める項目を定めています。ほぼすべてのデジタルカメラとスマホがこれに従っています。項目は画像データの隣の小さな領域に入っていて、大きさは数KBから数十KB程度。普通に開けば画像が、メタデータを読むツールで開けば項目が見えます。

写真の撮影設定の一覧:露出時間、絞り、ISO、焦点距離、フラッシュ、ホワイトバランス

写真の隠れた情報全部をまとめて「EXIF」と呼ぶことも多いですが、厳密にはEXIFは入れ物の一つです。編集した写真には、編集ソフトが使うXMPや、報道機関や写真素材サイトが使うIPTC(キャプションや著作権)も入っていることがよくあります。メタデータ削除はこの3種類すべてを読み取って消せます。

実際の写真に入っていたもの

EXIFの項目一覧は何百にもなりますが、1枚の写真では大半が空です。実際のファイルに何が入っているかを見るほうが役に立ちます。テストに使っている自由ライセンスの写真4枚を読み取りました。

写真項目数主な中身
Samsungのスマホ、猫、2019年51機種名とファームウェア、1/50秒・f/2.2・ISO 80、フラッシュ発光、約30m精度のGPS
iPhone 4S、街並み、2011年45iOSのバージョン、約18m精度のGPS、標高、方角137°、埋め込みサムネイル
ニコン D300、犬、2013年180撮影者名、著作権表示、カメラのシリアル番号、レンズ、Lightroomの編集履歴、GPS
写真サイトからの人物写真18編集ソフトと画素数だけ。カメラ、日時、位置情報はなし

面白いのはその差です。スマホの写真は数十項目で、ほとんどがカメラと撮影の瞬間に関するもの。プロ向けの編集ソフトを通った写真はずっと多くなり、ニコンのファイルの180項目のうち148項目は通常のカメラ情報以外、主にLightroomが書いた編集履歴やキャプション・著作権の項目でした。逆に、Webサイトのアップロード処理を通った写真は、サイトが大部分を消しているのでほぼ空のこともあります。

項目のグループと、それぞれから分かること

カメラと撮影設定

メーカー、機種、レンズ、シャッター速度、絞り、ISO、焦点距離、フラッシュ、ホワイトバランス、測光モード。写真好きが気にするのはここです。ニコンのファイルからは、35mmレンズで1/160秒、f/6.3、ISO 100、フラッシュなしで撮ったことが分かります。写真を勉強中なら、気に入った写真の設定を読むのは撮り方を理解するいちばんの近道の一つです。

日付と時刻

たいてい複数あります。撮影日時、ファイルの最終更新日時、新しい機種ならタイムゾーンも。一致するとは限りません。ニコンの写真は2013年5月24日に撮影され、18日後の6月11日にLightroomで最後に保存されていました。写真アプリは撮影日時でライブラリを並べるので、カメラの時計がずれていると違う年に紛れ込みます。

向き(Orientation)

画像をどう回転して表示するかを伝える一つの数字です。スマホは画像を横向きのまま保存し、ピクセルを回す代わりにこの値を設定することがよくあります。テストしたiPhone写真も横向きで保存され、値は6でした。この値を不用意に消すと、アプリによっては写真が横倒しで表示されます。メタデータ削除が初期設定でこの値を残すのはそのためです。

位置情報

緯度、経度、多くの場合は標高、GPSの時刻、カメラの向き。カメラに位置情報へのアクセスを許可していると記録され、多くの機種でそれが初期設定です。iPhoneのファイルの座標は約18メートルの精度で、写真のタイトルの住所と同じ区画を指していました。詳しくは写真の位置情報を削除する方法で解説しています。

個人に関わる情報

所有者や作者の名前、著作権表示、そして多くの専用カメラでは本体のシリアル番号。スマホはふつうシリアル番号ではなく機種名を記録します。シリアル番号だけで名前が分かるわけではありませんが、そのカメラで撮った写真同士、別名で投稿した写真まで結びつけられます。

ソフトウェアと編集履歴

ファームウェアやアプリのバージョン、編集ソフト、XMPには加えた調整の一覧が入ることもあります。多くの人には無害でも、人によっては写真を編集したこと、何で編集したかが分かってしまいます。

埋め込みサムネイル

多くのカメラは、ファイル一覧ですぐ表示できるよう小さなプレビュー画像をEXIFの中に保存します。iPhoneの写真にも入っていました。昔の編集ソフトには、本体の画像は更新してもこのプレビューはそのまま残すものがあり、トリミングした写真にトリミング前の小さなコピーが残っていることがありました。今のソフトはたいてい正しく処理しますが、「切ったから消えた」と思い込まずにファイルをクリーンにする理由の一つです。

EXIFデータの見方

  • ブラウザで:メタデータ削除に写真を追加すると、見つかった項目をグループごとに、アップロードせずに一覧表示します。JPG・PNG・WebPに対応しています。
  • Windows:ファイルを右クリックして「プロパティ」、「詳細」タブ。撮影設定、日時、GPSが表示されます。
  • Mac:プレビューで写真を開き、「ツール」>「インスペクタを表示」。ExifタブとGPSタブに詳細があります。
  • iPhone:写真アプリで写真を上にスワイプ。カメラ、レンズ、設定、ファイルサイズ、位置情報があれば地図が出ます。
  • Android:Googleフォトで写真を上にスワイプすると、カメラ情報と位置が表示されます。

標準の表示は一部を選んで見せているだけです。すべてを表示するツールで見るのが、ファイルから何が分かるかを確実に知る唯一の方法です。

EXIFが役に立つ場面

  • 写真の整理:どの写真ライブラリも撮影日時で並べ、GPSから地図を作ります。全部消すとどちらも使えなくなります。
  • 撮影の勉強:設定を見れば、その写真がどう撮られたかが分かります。
  • 作者の表示:著作権や作者の項目はファイルと一緒に移動します。簡単に消せるのでそれだけでは証明になりませんが、善意で使う人がクレジットを入れる助けになります。
  • 色:厳密にはEXIFとは別ですが、カラープロファイル(ICC)は色を正しく表示する方法をアプリに伝えます。外すと機種によっては色が少し眠くなったり派手になったりするため、ツールは初期設定で残します。

消したほうがいい場面

自分の保存用にはメタデータを残し、知らない人に渡るコピーからは消す。多くの人が落ち着くのはこのシンプルなルールです。具体的には次のような写真です。

  • フリマの出品、掲示板、マッチングアプリのプロフィール、公開投稿に使う写真。
  • 自宅や子ども、住所と結びつけたくないものが写った写真。
  • 自分のWebサイトの画像。アップロードしたファイルがそのまま配信されます。
  • よく知らない相手に送るファイル。特にファイル送信やメール添付ではすべて残ります。

メタデータ削除は、画像を再圧縮せずにEXIF・XMP・IPTCを消します。「写真の向きを保持」と「カラープロファイルを保持」は見た目を守るため初期設定でオンです。画像圧縮やアップスケーラーなど他のツールもメタデータのないファイルを作りますが、画像を再エンコードします。確認したところ、iPhoneのテスト写真を画像圧縮にかけた結果にはカメラ情報が一切残っていませんでした。どうせ軽くしたり加工したりするならそちらで、元の画像をそのまま残したいならメタデータ削除を使いましょう。

よくある思い込み

  • 「スクリーンショットに位置情報が入る」:入りません。スクショはスマホが新しく作る画像で、ふつうGPSは含まれません。ただし写っている内容から場所が分かることはあります。
  • 「PNGに変換すればメタデータは消える」:確実ではありません。PNGもEXIFやテキストを保存でき、変換ツールによってはそのまま引き継ぎます。
  • 「メタデータを消すと画質が落ちる」:ツールが画像を再エンコードする場合だけです。劣化しないツールは画像に触れません。
  • 「SNSが位置情報を隠してくれるから大丈夫」:他のユーザーには見せませんが、サービスは元のファイルを受け取っています。同じファイルを別の場所に送れば、何も隠されないかもしれません。

よくある質問

EXIFデータとは簡単に言うと?

写真ファイルの中に保存された情報のまとまりです。どのカメラで、どんな設定で、いつ、多くの場合どこで撮ったかが記録されています。Exchangeable Image File Formatの略で、1995年に最初に公開され、ほぼすべてのカメラとスマホが従っている規格です。

写真のEXIFデータを見るには?

メタデータ削除に写真を追加すると、見つかった項目がアップロードなしで一覧表示されます。Windowsはプロパティの「詳細」、Macはプレビューの「ツール」>「インスペクタを表示」、iPhoneは写真アプリ、AndroidはGoogleフォトで写真を上にスワイプしても見られます。

EXIFに位置情報は含まれますか?

撮影時にカメラの位置情報がオンなら含まれます。通りや建物が分かる精度のGPS座標で、標高やカメラの向きが入ることもあります。多くのスマホは初期設定でオンです。

EXIFから個人が特定されますか?

手がかりにはなります。カメラのシリアル番号はそのカメラで撮った写真同士を結びつけ、所有者名や著作権表示が入ったファイルもあり、GPS座標は自宅につながることがあります。スマホはふつうシリアル番号ではなく機種名を記録します。

ネットに投稿するとEXIFは消えますか?

大手SNSは公開する写真から消すのが一般的です。メール、クラウドのリンク、多くの掲示板、ファイルとして送った画像では残ります。気になるなら共有の前に自分で消しましょう。

EXIFを消すと画像は変わりますか?

劣化しないツールなら変わりません。メタデータ削除はメタデータの部分だけを消し、画像はバイト単位で同じまま残します。テストでも全ピクセルが一致しました。写真が横倒しにならないよう、向きの情報は初期設定で残します。

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